長時間の座り仕事による首のつらさ対策:簡単ストレッチと予防のポイント
長時間の座り仕事は、体への負担が大きいものです。特に、PC画面を見続ける姿勢は、首や肩周りに大きな負担をかけ、つらい首こりや肩こりの原因となります。首のつらさは、集中力の低下や頭重感にもつながることがあります。
この記事では、座り仕事で首のつらさを感じやすい方に向けて、休憩時間や仕事の合間に手軽に行える簡単なセルフケア(ストレッチ)と、日頃から意識したい予防のポイントをご紹介します。これらのケアを取り入れることで、少しでも快適に仕事に取り組めるようになることを目指しましょう。
座り仕事で首がつらくなるのはなぜ?
私たちの頭は約5kgとも言われる重さがあります。座ってPC作業をする際、多くの方が頭を少し前に突き出した姿勢になりがちです。この姿勢では、首の後ろにある筋肉が常に頭の重さを支えようとして緊張し、血行が悪くなります。血行が悪くなると、筋肉が硬くなり、首こりや痛みを引き起こしやすくなります。また、目の疲れも首や肩の緊張につながることがあります。
オフィスや自宅でできる!簡単首ケアストレッチ
ここでは、座ったままや短時間で手軽にできる首周りのストレッチをいくつかご紹介します。無理のない範囲で、呼吸を止めずに行いましょう。
1. 首をゆっくり傾けるストレッチ
首の側面にある筋肉を伸ばすストレッチです。
- 椅子に座り、背筋を軽く伸ばします。
- ゆっくりと息を吐きながら、頭を右側に倒し、右耳を右肩に近づけるようにします。首の左側が心地よく伸びるのを感じましょう。
- 右手で頭の左側を軽く押さえるようにすると、より伸びを感じやすくなりますが、強く押しすぎないように注意してください。
- その姿勢を15秒から20秒ほどキープします。
- ゆっくりと頭を正面に戻します。
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同様に、左側も行います。左右それぞれ2〜3回繰り返しましょう。
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ポイント: 肩がすくまないようにリラックスさせましょう。呼吸を深くゆっくり行うことで、筋肉がよりリラックスしやすくなります。
2. 首を前後に優しく倒すストレッチ
首の後ろや前面にある筋肉を緩めるストレッチです。
- 椅子に座り、背筋を軽く伸ばします。
- ゆっくりと息を吐きながら、あごを引くようにして、頭を前に倒します。首の後ろ側が伸びるのを感じましょう。
- その姿勢を10秒から15秒ほどキープします。
- ゆっくりと頭を正面に戻します。
- 次に、ゆっくりと息を吸いながら、顔を天井に向けるようにして頭を後ろに倒します。首の前側が伸びるのを感じましょう。
- その姿勢を10秒から15秒ほどキープします。
- ゆっくりと頭を正面に戻します。
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これを2〜3回繰り返しましょう。
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ポイント: 首を後ろに倒す際は、腰を反りすぎないように注意し、無理のない範囲で行ってください。痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
3. あごを引く(ディープネックフレクサーの活性化)
首の奥にある、頭を安定させる小さな筋肉(ディープネックフレクサー)を意識する動きです。ストレートネック対策にも有効とされます。
- 椅子に座り、背筋を軽く伸ばします。
- 顔は正面を向いたまま、あごを軽く引き込みます。二重あごを作るようなイメージです。
- このとき、頭全体を後ろに倒すのではなく、あくまで「あごを引く」動きを意識してください。首の後ろが少し伸びるのを感じるかもしれません。
- その姿勢を5秒ほどキープします。
- 力を緩めます。
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これを10回ほど繰り返しましょう。
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ポイント: 大きく動かす必要はありません。首の奥の筋肉が働いていることを意識することが大切です。デスクワークの合間にこまめに行うのがおすすめです。
首のつらさを予防するための日頃の習慣
セルフケアだけでなく、日々の習慣を見直すことも首の不調を予防する上で非常に重要です。
1. 正しい姿勢を意識する
PC作業中の姿勢は、首への負担に大きく影響します。
- 椅子の高さ: 足の裏が床にしっかりとつき、膝の角度が約90度になるように椅子の高さを調整しましょう。
- デスクの高さ: 肘が約90度になり、肩に力が入らない高さが理想です。
- 画面の高さ: 画面のてっぺんが目の高さと同じか、やや下に来るように調整します。ノートPCの場合は、外付けモニターやスタンドの使用を検討しましょう。これにより、自然と顔が上がるのを防ぎ、あごが前に出にくい姿勢につながります。
- 背もたれ: 背中をしっかりと支え、骨盤を立てるように深く座りましょう。腰の後ろにクッションを入れるのも有効です。
2. 定期的に休憩をとる
長時間同じ姿勢を続けることが、首や体の負担の大きな原因です。
- 最低でも1時間に一度は席を立ち、数分でも良いので体を動かしましょう。
- 休憩中に上記のストレッチを行うことは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進するのに役立ちます。
- 遠くの景色を見たり、目を休ませたりすることも、首や肩の緊張緩和につながります。
3. 体を冷やさないようにする
体が冷えると血行が悪くなり、筋肉が硬くなりがちです。特に首周りは冷えやすい部分です。
- 室温を適切に保つ、首元にストールやネックウォーマーを巻くなど、冷え対策を心がけましょう。
まとめ
長時間の座り仕事による首のつらさは、多くの方が経験する悩みです。しかし、仕事の合間の簡単なストレッチや、日頃の姿勢、休憩習慣を見直すことで、その負担を軽減し、つらさを和らげることが期待できます。
ご紹介したストレッチは、オフィスでも自宅でも場所を選ばず手軽に行えるものばかりです。ぜひ、毎日の仕事に取り入れてみてください。そして、これらのセルフケアと並行して、正しい姿勢の維持や定期的な休憩を意識し、首のつらさを予防していきましょう。継続することが、快適なデスクワークへの第一歩となります。