座り仕事での目の疲れ対策:簡単セルフケアと予防習慣
座り仕事による目の疲れ、その悩みはありませんか?
長時間のデスクワーク、特にパソコンを使った作業が多い座り仕事では、目への負担が非常に大きくなります。画面をじっと見つめ続けることで、目は乾燥しやすくなり、ピント調節を行う筋肉(毛様体筋)は緊張したまま固まってしまいがちです。
その結果、「目がショボショボする」「奥が痛い」「霞んで見える」「頭痛がする」「肩や首まで凝る」といった、様々な不調を感じることがあります。これらの目の不調は、集中力の低下や作業効率の悪化にもつながりかねません。
しかし、諦める必要はありません。日々のちょっとした休憩時間や、作業の合間に行える簡単なセルフケアと、デスク周りの環境や習慣を少し見直すことで、目の疲れを和らげ、快適に仕事を続けることが可能です。
この記事では、座り仕事で疲れやすい目をいたわる、オフィスや自宅で手軽に実践できるセルフケア方法と、目の疲れを予防するための習慣をご紹介します。
座ったままできる!目の疲れを和らげる簡単セルフケア
1. 眼球運動で目の周りの筋肉をほぐす
目を動かすことで、固まりがちな眼球周りの筋肉をストレッチし、血行を促進します。座ったままで簡単にできます。
- 方法:
- 背筋を伸ばして座り、顔は正面に向けたまま固定します。
- ゆっくりと視線を上げ、天井を見つめます(数秒キープ)。
- 次に、ゆっくりと視線を下げ、床を見つめます(数秒キープ)。
- ゆっくりと視線を右に向け、右端を見つめます(数秒キープ)。
- ゆっくりと視線を左に向け、左端を見つめます(数秒キープ)。
- 次に、ゆっくりと視線を右斜め上に向け、右斜め上を見つめます(数秒キープ)。
- ゆっくりと視線を左斜め下に向け、左斜め下を見つめます(数秒キープ)。
- ゆっくりと視線を左斜め上に向け、左斜め上を見つめます(数秒キープ)。
- ゆっくりと視線を右斜め下に向け、右斜め下を見つめます(数秒キープ)。
- 最後に、目をゆっくりと大きく右回りに数回、左回りに数回回します。
- ポイント: 視線を動かす際は、なるべく大きく動かすことを意識してください。無理のない範囲で行いましょう。各方向で数秒キープすることで、より効果的に筋肉をストレッチできます。
2. 遠くを見てピント調節機能をリセットする
近くの画面を長時間見続けたことで緊張した毛様体筋をリラックスさせます。
- 方法:
- 窓際など、外の景色が見える場所に移動するか、オフィスの廊下の突き当りなど、遠くが見える場所を探します。
- できるだけ遠くの景色や一点(約5メートル以上先)に数秒間、視線を合わせます。
- 再び手元(パソコンの画面など)に視線を戻します。
- この動作を数回繰り返します。
- ポイント: 近くを見る・遠くを見るというピント調節の切り替えを行うことで、毛様体筋の柔軟性を保ちます。休憩時間などに行うのが効果的です。
3. 目の周りを温める・冷やす
温めることで血行を促進し、目の周りの筋肉の緊張を和らげます。冷やすことで充血や炎症を抑える効果が期待できます。
- 温める方法:
- 温かいタオルや市販のホットアイマスクなどを閉じている目の上に乗せ、5〜10分程度温めます。休憩時間や終業後に行うのがおすすめです。
- なぜ効果的?: 温めることで目の周りの血管が広がり、血行が促進されます。これにより、疲労物質の排出が促され、目の周りの筋肉のこわばりが和らぎます。
- 冷やす方法:
- 冷たいタオルや水で濡らして絞ったタオルなどを閉じている目の上に乗せ、数分程度冷やします。目が熱っぽい、充血している場合などに有効です。
- なぜ効果的?: 冷やすことで血管が収縮し、充血や炎症を抑える効果が期待できます。
4. まばたきを意識する
パソコン作業中は、集中するあまりまばたきの回数が極端に減りがちです。これにより目が乾燥し、疲れやすくなります。
- 方法:
- 意識的に普段より回数を増やしてまばたきを行います。
- 一度、ぎゅっと目を強く閉じてからパッと開ける、というまばたきも効果的です。
- ポイント: まばたきは目の表面に涙を行き渡らせ、乾燥を防ぐ重要な働きがあります。意識することで目の潤いを保ち、乾燥による疲れや不快感を軽減できます。数分おきなど、時間を決めて意識するのも良い方法です。
5. 目の周りやツボを優しくマッサージする
目の周りや関連するツボを刺激することで、血行を促進し、疲れを和らげます。
- 方法:
- 清潔な状態で行います。
- 眉頭の下にあるくぼみ(攅竹:さんちく)を、人差し指や親指の腹で優しく押します。
- 眉間の中央(印堂:いんどう)を優しく押します。
- 眉毛の中央あたり(魚腰:ぎょよう)を優しく押します。
- 眉尻の骨のくぼみ(太陽:たいよう - 目尻と眉尻の中間やや外側)を、こめかみに向かって優しく押したり、円を描くようにマッサージします。
- 目の下の骨の縁、黒目の真下あたり(承泣:しょうきゅう)を優しく押します。
- 首の後ろ、髪の生え際あたりにあるくぼみ(天柱:てんちゅう、風池:ふうち)を、親指で頭を持ち上げるように優しく押します。
- ポイント: 強く押しすぎず、心地よいと感じる程度の力加減で行ってください。各箇所を数秒間押したり、ゆっくり揉みほぐしたりします。目の周りは皮膚が薄いため、優しく行いましょう。
目の疲れを予防するための日頃の習慣と環境整備
セルフケアだけでなく、日々の習慣や作業環境を見直すことも、目の疲れを予防するために重要です。
1. 適切な休憩を取る
連続して画面を見続ける時間を減らすことが最も効果的な予防策の一つです。
- 推奨される休憩方法:
- 20-20-20ルール: 20分作業したら、20フィート(約6メートル)以上離れた場所を20秒間見る。これは、ピント調節筋の緊張を和らげるのに効果的です。
- 1時間に1回は、5〜10分程度のまとまった休憩を取り、画面から離れて目を休ませましょう。この時間に上記のセルフケアを行うのも良いでしょう。
2. ディスプレイの環境を整える
ディスプレイの設定や位置が目に与える影響は大きいです。
- 推奨事項:
- 画面との距離: 目から画面までの距離は40cm〜70cm程度を保つのが理想的です。
- 画面の高さ: 画面の上端が目の高さよりやや下になるように調整すると、見下ろす形になり、首や肩への負担も軽減できます。
- 明るさ・コントラスト: 周囲の環境に合わせて、画面の明るさやコントラストを調整しましょう。画面が明るすぎると目が疲れやすくなります。
- 照明: 画面に周囲の照明や窓の光が映り込まないように、照明の位置や角度を調整したり、ブラインドを利用したりしましょう。
- ブルーライト軽減: パソコンやスマートフォンの設定でブルーライト軽減機能を活用したり、ブルーライトカット機能のある眼鏡を使用したりすることも有効です。
3. 目の乾燥対策を行う
乾燥した環境は目の疲れを悪化させます。
- 推奨事項:
- 加湿器を使用し、室内の湿度を適切に保ちましょう(理想は50〜60%)。
- 意識的にまばたきを増やすことを習慣にしましょう。
- 必要に応じて、防腐剤の入っていない人工涙液タイプの目薬を使用することも検討できます。
まとめ:日々のケアで快適な座り仕事ライフを
長時間の座り仕事による目の疲れは、多くの人が抱える悩みです。しかし、ご紹介したような簡単なセルフケアを毎日の習慣に取り入れたり、作業環境を少し工夫したりすることで、その負担を大きく軽減することが可能です。
眼球運動や目の周りのマッサージで血行を促進し、遠くを見る習慣でピント調節筋をリラックスさせ、適切な休憩や環境調整で目への負担そのものを減らすことが重要です。
これらのセルフケアや予防習慣は、どれも短時間で手軽に行えるものばかりです。ぜひ、今日から意識して取り組んでみてください。目の疲れが和らぐことで、より快適に、そして集中して仕事に取り組めるようになるはずです。継続は力なり、無理のない範囲で続けていきましょう。