長時間の座り仕事中も快適に!作業中にできる簡単微運動
長時間の座り仕事、お疲れ様です。
PCを使った作業に集中していると、あっという間に時間が過ぎてしまいますよね。気づけば何時間も同じ姿勢で座りっぱなしになり、肩や首が固まったり、体が重だるく感じたりすることはありませんか?
休憩時間にはストレッチなどで体を動かすことも大切ですが、作業の合間や、休憩時間が取れない時に「何か少しでも体を楽にできないか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、長時間の座り仕事の合間に、席を立たずに、ほとんど周りに気づかれることなく行える「簡単微運動」をご紹介します。ほんの少し体を動かすだけでも、体の滞りを防ぎ、不調の軽減や予防に繋がります。ぜひ、日々の作業に取り入れてみてください。
なぜ長時間の座り仕事は体に負担をかけるのか
長時間座り続けると、体には様々な負担がかかります。
- 血行不良: 同じ姿勢でいると血流が悪くなり、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。これが肩こりや体の冷え、むくみなどの原因となります。
- 筋肉の硬直: 特定の筋肉(首、肩、腰、股関節など)が長時間緊張したままになり、硬くなって痛みや張りとして現れます。
- 姿勢の崩れ: 疲れてくると姿勢が悪くなり、体の一部に過度な負担がかかります。猫背などもその典型です。
こうした体の滞りや硬直を、大がかりな運動ではなく、作業の合間に少しずつ解消していくのが「微運動」の目的です。
作業中にこっそりできる簡単微運動
ここでご紹介する微運動は、どれも座ったまま、数秒から数十秒でできるものです。作業のキリの良いタイミングや、「少し体が固まってきたな」と感じた時に、気軽に行ってみましょう。
首・肩周りの微運動
首や肩は、PC作業で特に負担がかかりやすい部分です。
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首をゆっくり傾ける・回す
- まず、ゆっくり息を吐きながら、頭を右肩に近づけるように首を右に傾けます。左側の首筋が軽く伸びるのを感じましょう。
- そのままの姿勢で数秒キープし、息を吸いながらゆっくり頭を正面に戻します。
- 反対側(左)も同様に行います。左右それぞれ2〜3回繰り返しましょう。
- 次に、あごを引いて、ゆっくりと首を左右に回します。大きく回すのではなく、無理のない範囲で小さく円を描くように、左右それぞれ2〜3回ずつ行います。
- ポイント: 急な動きは避け、呼吸に合わせてゆっくりと行いましょう。痛みを感じる場合は中止してください。首周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。
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肩をすくめる・回す
- 息を吸いながら、肩を耳に近づけるようにぐっとすくめます。肩の周りの筋肉に力を入れるのを感じましょう。
- 数秒キープした後、息を吐きながらストンと力を抜きます。
- これを3〜5回繰り返します。肩周りの緊張を意識的に緩めることができます。
- 次に、両肩を前回しにゆっくり5回、次に後ろ回しにゆっくり5回回します。デスクワーク中は肩が前に出がちなので、後ろ回しを多めに意識すると良いでしょう。
- ポイント: 肩甲骨が動いているのを意識すると、より効果的です。肩周りの血行を促進し、だるさを和らげます。
腕・手周りの微運動
キーボードやマウス操作で酷使される手首や腕も、こまめにケアしましょう。
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手首を回す
- 両手を前に軽く伸ばし、指先を下に向けてぶらんとさせます。
- ゆっくりと手首を内回しに5回、外回しに5回回します。
- ポイント: 手首の関節を滑らかに動かすイメージで行います。腱鞘炎などの予防にも繋がります。
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指を動かす(グーパー運動)
- 両手を軽く握り、ゆっくりと指をいっぱいに開きます(パー)。
- 次に、ゆっくりと指をしっかりと握ります(グー)。
- これを10回程度繰り返します。
- ポイント: 指の先まで意識して動かすことで、手全体の血行が促進されます。
体幹・背中の微運動
座り姿勢で固まりやすい体幹や背中にもアプローチします。
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背筋を伸ばす
- 椅子の背もたれから少し体を離し、骨盤を立てるイメージで背筋をまっすぐ伸ばします。
- 頭頂部が天井に引っ張られるような意識で、首も自然に伸ばしましょう。
- そのまま数秒キープします。これを数回繰り返します。
- ポイント: 腰を反りすぎず、お腹を軽く引き締めるように意識すると安定します。正しい姿勢を思い出すきっかけになります。
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軽く体側を伸ばす
- 座ったまま、片方の手を上に伸ばし、もう一方の手は椅子や机に添えます。
- 息を吐きながら、上に伸ばした手と反対側にゆっくりと体を傾けます。脇腹が軽く伸びるのを感じましょう。
- 数秒キープし、息を吸いながらゆっくりと元に戻します。
- 反対側も同様に行います。左右それぞれ2〜3回ずつ行います。
- ポイント: 体を前に倒したりねじったりせず、真横に傾けることを意識します。体側の滞りを解消し、呼吸もしやすくなります。
脚・足周りの微運動
座りっぱなしで血行が悪くなりやすい下半身のケアです。
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かかとやつま先の上げ下げ
- 椅子に深く腰掛けたまま、両足のかかとを同時にゆっくり上げ、下ろします。これを10回程度。
- 次に、両足のつま先を同時にゆっくり上げ、下ろします。これも10回程度。
- ポイント: ふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、下半身の血行促進に役立ちます。むくみ予防にも効果的です。
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足首を回す
- 片方の足を軽く浮かせ、ゆっくりと足首を内回しに5回、外回しに5回回します。
- 反対の足も同様に行います。
- ポイント: 足首の硬さを和らげ、だるさを軽減します。
微運動を習慣にするためのポイント
これらの微運動は、一度に全てを行う必要はありません。
- 「ついで」に行う: ファイルを開いている間、メールの送信を待っている間、Webページを読み込んでいる間など、作業の合間の短い時間に「ついでに」行う習慣をつけましょう。
- リマインダーを活用する: アラームやPCアプリなどで、1時間に1回など定期的に体を動かすことを思い出させる設定をするのも有効です。
- 体の声に耳を傾ける: 「首が張ってきたな」「足がだるいな」など、自分の体の不調に気づいた時にすぐに行うのが最も効果的です。
- 無理なく続ける: 最初は1種類からでも構いません。無理なく続けられる範囲で日常に取り入れることが大切です。
日頃から意識したい予防策
微運動と合わせて、日頃から以下の点も意識すると、さらに体の不調を防ぐことができます。
- 正しい座り方: 深く腰掛け、骨盤を立て、背筋を自然に伸ばした状態で座りましょう。ディスプレイとの距離や高さも調整し、無理のない姿勢を保つことが重要です。
- 作業環境の整備: デスクや椅子の高さ、キーボードやマウスの位置などを調整し、体に負担がかかりにくい環境を作りましょう。
- 定期的な休憩: 可能な範囲で、1時間に一度は席を立って少し歩いたり、大きく伸びをしたりする休憩を取り入れましょう。微運動は、こうした休憩が難しい場合の補完としても有効です。
まとめ
長時間の座り仕事による体の不調は、日々の小さなケアで和らげることができます。ご紹介した簡単微運動は、作業中に手軽に行えるものばかりです。
首、肩、腕、手、体幹、足など、気になる部分からで構いませんので、ぜひ今日の作業時間から一つでも実践してみてください。小さな積み重ねが、体全体の快適さへと繋がっていきます。
毎日の作業時間を、少しでも快適に過ごせるよう、体のケアを大切にしていきましょう。