座り仕事による頭痛対策:簡単セルフケアと予防習慣
長時間パソコンに向かって座っていると、ふとした瞬間に頭がズキズキしたり、重く締め付けられるような感覚に襲われたりすることはございませんか?特に夕方になるとひどくなる、という方もいらっしゃるかもしれません。
座り仕事は、同じ姿勢を長時間続けることで、体のあちこちに負担をかけます。肩こりや目の疲れは多くの方が経験されていますが、実はそうした体の不調が、頭痛の原因となっていることも少なくありません。
この記事では、座り仕事で起こりやすい頭痛の主な原因と、休憩時間や自宅で手軽にできるセルフケアの方法、そして日頃からできる予防の習慣についてご紹介します。これらのケアを取り入れることで、頭痛のつらさを和らげ、より快適に仕事に取り組めるようになることを目指します。
座り仕事による頭痛の主な原因
座り仕事によって起こりやすい頭痛は、主に「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプであることが多いです。これは、頭や首、肩の筋肉が緊張することで血行が悪くなり、神経が刺激されるために起こると考えられています。
座り仕事における具体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 長時間同じ姿勢: デスクワークで前かがみになったり、首が前に突き出たりする姿勢を続けることで、首や肩の筋肉に負担がかかり硬直します。
- 目の疲れ(眼精疲労): パソコン画面を長時間見続けることで目が疲れ、それに関連して首や肩の筋肉が緊張し、頭痛を引き起こすことがあります。
- 精神的なストレス: 仕事のプレッシャーや集中による緊張も、筋肉の緊張や血管の収縮を招き、頭痛の原因となることがあります。
- 水分不足: 体の水分が不足すると、血行が悪くなり、頭痛を引き起こす可能性がございます。
- 不適切な環境: デスクや椅子の高さが合っていない、室内の温度が適切でない、ディスプレイの明るさが強すぎるなども、体の負担となり頭痛につながることがあります。
これらの原因を踏まえ、次に具体的なセルフケア方法を見ていきましょう。
座り仕事中の頭痛を和らげる簡単セルフケア
これらのセルフケアは、オフィスや自宅で、座ったままや短時間で手軽に行えるものを選んでいます。
1. 首・肩のストレッチ
首や肩の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。頭痛の緩和に役立ちます。
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首をゆっくり回すストレッチ:
- 椅子に座ったまま、背筋を軽く伸ばします。
- ゆっくりと息を吐きながら、あごを引いて首を前に倒します。首の後ろが伸びるのを感じましょう。
- 息を吸いながらゆっくりと顔を正面に戻します。
- 次に、息を吐きながら、首を右側にゆっくりと倒します。右耳を右肩に近づけるイメージで、左首筋が伸びるのを感じましょう。
- 息を吸いながら正面に戻し、反対側も同様に行います。
- 最後に、ゆっくりと首を大きく円を描くように回します。痛みを感じる範囲では無理に行わず、心地よい範囲で行ってください。
- それぞれ2~3回繰り返しましょう。
- ポイント: 首や肩の力を抜き、呼吸に合わせてゆっくりと行います。勢いをつけたり、無理に大きく回したりしないように注意してください。
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肩を回すストレッチ:
- 椅子に座ったまま、背筋を伸ばします。
- 息を吸いながら両肩を耳に近づけるようにぐっと引き上げます。
- 息を吐きながら、肩を後ろ回しにゆっくりと下ろします。肩甲骨を意識して動かしましょう。
- これを5回ほど繰り返します。
- 次に、前回しを5回ほど行います。
- ポイント: 肩甲骨を大きく動かすイメージで行うと、肩周りの血行が促進されます。
2. 目の周りのケア
目の疲れは頭痛と密接に関連しています。目の周りの筋肉の緊張を和らげましょう。
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目の周りの軽いマッサージ:
- 清潔な手で、人差し指・中指・薬指の腹を使い、眉頭の下にあるくぼみ(目頭の少し上)に軽く当てます。
- 小さな円を描くように、優しく数回マッサージします。
- そのまま眉に沿って、眉の中央、眉尻まで少しずつずらしながら同様にマッサージします。
- こめかみにも同様に軽く円を描くようにマッサージします。
- 目の下、骨の縁に沿って、目頭から目尻に向かっても優しく押したり、小さな円を描いたりします。
- ポイント: 強く押しすぎず、心地よいと感じる程度の力で行います。目の中に指が入らないように注意してください。
- メカニズム: 目の周りのツボや筋肉を刺激することで、血行が良くなり、目の疲れやそれに伴う頭痛の緩和が期待できます。
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遠くを見る:
- パソコン画面から目を離し、窓の外の景色など、できるだけ遠くの景色を1分程度眺めます。
- ポイント: 焦点距離を変えることで、目のピント調節筋の緊張が和らぎます。
3. 深呼吸を取り入れる
緊張やストレスによる頭痛には、リラックスが効果的です。
- 腹式呼吸:
- 椅子に深く座り、背筋を軽く伸ばします。
- 片手を胸に、もう一方の手をお腹に当てます。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込みます。このとき、お腹が膨らむのを意識し、胸はあまり動かさないようにします。
- 口から、吸うときの倍くらいの時間をかけて、ゆっくりと細く長く息を吐き出します。このとき、お腹がへこんでいくのを感じましょう。
- これを5回程度繰り返します。
- メカニズム: 深くゆっくりとした呼吸は、副交感神経を優位にし、心身のリラックスを促します。筋肉の緊張緩和にもつながり、頭痛の軽減に役立ちます。
4. こまめな水分補給
脱水は血行不良を引き起こし、頭痛の原因となることがあります。
- 意識的な水分補給:
- デスクに水筒やペットボトルを置き、喉が渇く前にこまめに水を飲む習慣をつけましょう。
- ポイント: 一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ頻繁に飲むのが効果的です。カフェインや糖分の多い飲み物より、水やお茶がおすすめです。
頭痛を防ぐための予防習慣
日頃から意識することで、頭痛が起こりにくい体を目指しましょう。
1. 正しい姿勢を保つ意識
首や肩への負担を減らすために、座り方やデスク環境を見直しましょう。
- 椅子の調整: 椅子に深く座り、足の裏が床にしっかりつくように椅子の高さを調整します。膝の角度は約90度が目安です。
- 目線の高さ: パソコンのディスプレイの高さが、目線と水平になるように調整します。ノートパソコンの場合は、台を使うなどを検討しましょう。
- 背筋を伸ばす: 背もたれに寄りかかり、背筋を軽く伸ばした姿勢を意識します。腰の後ろにクッションを置くのも良いでしょう。
- メカニズム: 適切な姿勢を保つことで、首・肩・背中への負担が軽減され、筋肉の緊張が起こりにくくなります。
2. 定期的な休憩と体の動き
長時間同じ姿勢を続けないことが最も重要です。
- 1時間に一度は休憩: 最低でも1時間に一度は席を立ち、軽く歩いたりストレッチをしたりしましょう。短い時間でも体を動かすことで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
- 休憩時間の使い方: 休憩時間には、上記で紹介した首・肩のストレッチや目のケアなどを取り入れるのがおすすめです。
3. ストレスマネジメント
ストレスを溜め込まない工夫も頭痛予防につながります。
- 軽い運動: 仕事終わりにウォーキングをしたり、簡単なストレッチをしたりする時間を設けることで、心身のリフレッシュになります。
- 趣味やリラックスできる時間: 好きなことをする時間を作り、仕事から離れてリラックスすることも大切です。
まとめ
長時間の座り仕事による頭痛は、首や肩の緊張、目の疲れ、ストレスなどが複合的に絡み合って起こることが多いです。今回ご紹介した首・肩のストレッチや目のケア、深呼吸、水分補給といったセルフケアは、どれもオフィスや自宅で手軽に行えるものです。
また、普段から正しい姿勢を意識したり、定期的に休憩を取って体を動かしたりといった予防習慣を取り入れることで、頭痛が起こりにくい体を作ることができます。
これらのセルフケアや習慣を日常生活に少しずつ取り入れ、座り仕事による頭痛のつらさを和らげ、快適に毎日を過ごしていただければ幸いです。継続することが大切ですので、無理のない範囲で続けてみてください。